Let's 遮二無二!うまい棒! 後編

不意に手にしてしまった7700円をどうやって使おうかと友人と相談してるときに一体何を思ったのか、
「この金で全部うまい棒買わへん!?あと70円足したらちょうど777本買えるやん。これ絶対運命やって。もし買ったらうまい棒長者になれるやん。」
テンションが上がりすぎて馬鹿なことを口走ってしまった自分を止めるほど友人も冷静じゃなく、むしろノリノリ。
熱が冷めないようにその足で近くの駄菓子屋に向かう。店の奥にある30本入りの束を五つほど持っていくと案の定、店員が可哀想な目で見てくる。その店員に一言、
20×30 計600本「えーっと、あと、そこのダンボールのうまい棒全部下さい。」
言葉を無くす店員。勝った、今まさによれた服を着たメガネ店員×2を圧倒した。店員をやりこめた嬉しさとついにうまい棒を買った、妙な気持ちの高ぶり具合で妙に嬉しく自然と顔がほころぶ。

この瞬間、自分は世界で一番格好良かったように思う。
筆者とうまい棒誰もが子供の頃一度は憧れる溢れんばかりのうまい棒。今それが自分の手の中にある。あぁ、なんて気分が良いんだろう。あれだ、この瞬間自分は世界うまい棒所有ランキングに名を連ねた、ランカーになった気分。


ひいこら言いながら「夢は思ったより大きくて重いのな!」などと興奮しながら夜も遅いのでひとまず家に帰る。
飛び散るうまい棒
一度全部袋から出して部屋にぶちまけ、見る物を圧倒するような部屋にして悦にひたり「あぁ、もうこの部屋自分の部屋じゃなくてうまい棒の部屋になってる。なんかうまい棒with自分、みたいにメインがうまい棒だよなー。」と呆然と部屋を眺める。あぁ な ん て い い 眺 め な ん だ 。
もちろん、この時すでに良くないお金で買ったと言う事は忘れてしまってる。そして拾った金とはいえ7770円をドブに捨てるような使い方をしてことをも忘れてる。でも、そんなことは気にしない。なぜなら自分にはうまい棒が山ほどあるんだからー。