別れ

negima2004-06-10

飼ってる犬が死んでしまった。
いつものように疲れきって帰ってくるとおばあちゃんやらいとこ達がいて、食卓には寿司がのっていた。何にも知らずに「今日はごちそうやなぁ。」と言ってるとオカンに悲しそうに「きづかへんのか。」と言われてはじめて気が付いた。
いつも帰ってくると飛び掛ってくるうちの犬がタオルと発泡スチロールで作られた籠に横たわってた。今すぐにでも目を開けて飛びついてきそうな感じなのに、触ってみると恐くなるくらいひんやりしてた。
どうやら寿命だったらしい。丸8年生きていて人間で言うともう70歳くらいのおばあちゃんだ。かなり前からそこらじゅうボロボロだったんだろう。それでも昔に比べたら元気がなくなってたが、ちょろちょろとうろつきまわってた。恐がりで誰かが家にくるたびにキャンキャン吠えては怯えてた。そのくせひとなつっこくてかまって欲しそうに見つめてきてた。そんなうちの犬はもういない。
自分は前からあまり世話をしてなくて、散歩にもろくに連れて行かないのに何故か家族で一番なついててよくカエルのスリッパで遊んだりしてたものだ。高校に入ってからそんなことをするのも少なくなっていてほとんど構ってやれなかった、そんな矢先にいなくなってしまった。
いなくなってから「もっと構ってやれば…」と思うのは自分勝手で傲慢過ぎる気がする。だからといって何も感じない訳ではない。ただ、8年間一緒に同じ屋根の下で暮らしていたことは間違いない。いつも何気なく一緒にいたからこそ、ずっと忘れずにいるんじゃなくて、何気なく心に留めてときどき思い出してやりたい。