ボーイズ・オン・ザ・ラン
- 作者: 花沢健吾
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/11/30
- メディア: コミック
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んでまぁ期待とか先入観とか全くないまっさらな状態で読んだわけなんですけど…。
泣いた。不覚にも漫画で泣き、せつなくってしまって一人で身をよじってしまうくらい*1胸に深く突き刺さった。「いい年したダメ男が恋をして全力で空回る」っていうまぁ単純な手垢ついたストーリーなんだけど、自分も筋金入りのダメ男であるがゆえに何かが共鳴してる。
この漫画のすっごいところは登場人物が恐ろしく人間臭いところ。ダメなやつはホントダメでどうしようもなくて、何か行動しては空回り、憎い恋敵は腸ぶちまけてやりたいくらい憎らしい。その恐るべき人間臭さのお陰で多少無理があるストーリーにでもすっと入っていけるところが凄い上手。
大抵こういう漫画だと散々嫌われたはずなのにダメ元で告白したら「私もずっと好きだったの。」完。みたいなはいはいやっぱそこに着地すんのか、現実じゃありえねー。みたいなのが常だけど、一度でもこのダメ主人公に共感してしまえば、向こうの思惑通りで主人公と同じように、下手したらそれ以上に凹んでいらついてしまう。軽い気持ちで読んだら2、3日ずっぽり鬱になるかもしれないくらいの漫画。大げさに言い過ぎたかもしれないけど。
えらそうに漫画を語れるほど漫画通でもなんでもないんだけど、イチ漫画大好きっ子として胸を張って勧めたい漫画。勧めたいというかもう散々勧め倒した。特に「俺はへたれだなぁ。」と一度でも思ったことがある男性*2は読むべし。ていうか読め。
と言うような愛すべきボーイズ・オン・ザ・ラン5巻が明日発売しますよ。俺は出版社の回しものか。