ボーイズ・オン・ザ・ラン
- 作者: 花沢健吾
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/01/30
- メディア: コミック
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※以下、ネタバレ注意※
4巻の流れを簡単におさらいすると
田西、青山に喧嘩売る → 猛特訓 → 青山の会社に殴りこみ → 内木をアッパー一閃*1
という流れで来てた。まーどう転んでも青山には勝てないだろうし、きっと負けるんだろな。
- サラリーマンアッパーを紙一重で交わした青山にボコボコにされる。
- 一応見せ場は作って青山の余裕顔をくしゃくしゃにさせる。
- ボコボコの顔で電車に乗る寸前のちはるに会い、告白。
- 一応見せ場は作って青山の余裕顔をくしゃくしゃにさせる。
- 喧嘩前に実家に帰るはずだったちはる登場で喧嘩が流れる。
- ちはる青山側について田西鬱。暴走。
- 田西告白。ちはる戸惑いながらもあいまいな返事。
- ちはる青山側について田西鬱。暴走。
その後、両方の場合でも青山にリベンジ、腑抜けた自分を叩き直すためにボクシングを始める。そこで一巻で出てた赤ジャージ女再登場みたいなことになるんだろな、と甘い考えをしてましたよ。この巻を読むまでは。
自分が完全に漫画に幻想を抱き過ぎてたことに気づいた。ちょっとくらいおいしい展開があるだろな、ダメなやつでも努力すれば報われるはず、調子乗ったいけすかねぇ野郎はいつか痛い目を見るんだ、的な甘い考えを無意識にしてしまっていた自分は愚かだ。現実はそんなに甘いもんじゃない。
勝ち組が常勝なのにはそれに伴った努力や才能があって、負け組が負け組たるのは堕落と怠慢の証なのは当然の事実なわけですよ。ちょっと頑張ったから結果が出たよ、わーい!!みたいなことは起こりえない。
ちはるが青山に「二人が喧嘩しないように」と田西の秘密兵器、サラリーマンアッパーをバラし、カポエラ使いだった青山に一方的にボコられ、しまいにゃマウント取られる始末。それなのに「青山を捕まえた!!」と叫ぶ田西。ばちばちに掌底を打ちつけられ、必死に砂で目潰し、その隙に金的狙うも完全に見抜かれる田西。意地の小便を漏らし、マウントから脱出して放った渾身の小便まみれ左アッパーを軽々かわされる田西。無我夢中で突っ込んでいき、頭にカウンターで回し蹴りくらって気絶する田西。
もういい。もうこれ以上何もしてくれるな。短いながらも愛する女のために努力して挑んだ決闘の結果がコレですよ。勝ち目のない喧嘩だってことはわかってたけど、こんな仕打ちはひど過ぎる。濡れた手でのアッパーで小便引っ掛けたのみで勢いと根性以外は全てから周りとか不憫で涙出てきた。
しかもマウント中に青山から
「27年の結果がこれですよ。何もしてこなかったやつが勝てるわけないんだよ。うすっぺらなんだよ、アンタ。」
これほど屈辱的なことってあるだろうか。こんなこと言われたら二年くらい余裕で死ねる。
そのあとすぐちはるに会いに行った田西は、ちはるの青山のことを心配する発言で完全にいってしまい、暴走。
「バキュームフェラできるんだって?青山君以外にもしてたんでしょ。だったら俺にもしてよ。(中略)ちはるちゃんにフェラチオしてもらう妄想もずっとしてて、俺の夢だったんだ。」
青山戦も最悪、ちはるとの別れも最悪。作者は漫画で人を殺す気なのかと本気で思ってしまうほど強烈過ぎる。こんなに鬱になったの久々だ。これが現実なんだろうか。
かすかな希望を全て無に返したちはる・青山編が終わり、これからボクシング編へと話は進んでいくみたいだ。とにかく見守っていきたい。
*1:サラリーマンアッパーでの不意打ちだけど。